宇宙を思い浮かべる⑤「これからの宇宙」ビッグクランチ・ビッグリップ

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宇宙のこれから

物質と重力と膨張との拮抗によって左右される宇宙の運命を予測するためには、宇宙を満たすエネルギーの密度を知る必要があります。これからの宇宙はどのように進化するのでしょうか

宇宙の運命

物質の密度が高ければ重力によって膨張が減速し、やがて収縮に転じるようになります。再度高温。高密度になった宇宙が最後に1つのブラックホールとなって終焉を迎えるのが「ビッグクランチ」という考え方です。

一方で、物質密度が足りずに重力が弱いと宇宙は永遠に膨張し続けることになります。

1990年代に発見されたのは、宇宙の膨張が加速しているという驚くべき事実でした。ダークエネルギーが増加すれば膨張は際限なく加速し、天体をまとめる重力を上回り最終的に素粒子にまで引き裂く「ビッグリップ」に至るともいわれています。

逆に減少すれば膨張はいずれ減速し、宇宙は収縮に転じるかもしれません。ダークエネルギーの密度が一定で膨張を続ける宇宙は希薄になる一方です。重力で結びついた銀河団の内部では銀河が互いに合体しますが、成長した大楕円銀河の間は膨張によって引き離されて、やがて地平線を超えて互いに見ることさえできなくなるでしょう。

銀河内部で星の形成が終了し、寿命の長い赤く暗い恒星が燃え尽きると、光をはなつ天体はなくなってしまいます。さらに遠い将来には、原子核をつくる陽子が崩壊して物質も存在しなくなります。最後はブラックホールもすべて蒸発し、暗く空虚な空間だけが残ります

ビッグクランチ
宇宙自身の重力によって収縮に転じすべての時空と物質が収束するという説
ビッグリップ
膨らみ続けてすべてが引き離され何もなくなるイメージ

太陽系の将来

太陽の変化が太陽系の将来を左右します。

太陽は100億年程度の寿命であると考えられていて、あと50億年程度で終末期に入ると赤色巨星へと進化します。

太陽系にある天体は、太陽の表面の膨張、高度の増加、質量放出、という激変の中で翻弄されます。太陽の放出エネルギーが増加すると惑星の表面温度が上昇します。太陽から流れ出すガスが惑星の大気をはぎとってしまうかもしれません。

質量が変化する対応の周囲では惑星の公転も変化します。水星と金星は膨張した太陽に飲み込まれてしまします。太陽が現在の200倍以上まで膨張すると地球も飲み込まれてしまいます。

ガスの中を動く地球は動圧を受けて速度を失い、中心に向かって落下していくかもしれません。高温と高圧の太陽内部に落ちると、蒸発・爆発してしまうでしょう。

というのは一つの推論であって、太陽内部の構造とその進化については、実はまだはっきりと解明されていません。結果、太陽系の将来を正確に予測することは現段階では難しそうですね。

天の川銀河の将来

天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突する想像図(NASA)

銀河は銀河団の中の重力的な相互作用の中で変化していきます。

より小さな銀河の衝突・合体によって形成されてきた天の川銀河(銀河系)の成長は現在も進行中で、重力に結びついている周囲の矮小銀河のいくつかが天の川銀河に吸収されていきます。大きな衝突も待ち構えています。

天の川銀河よりも数倍大きなアンドロメダ銀河(M31)は現在は230万光年離れていますが、実はお互いに接近しつつあります。30億年程度先には2つの渦巻銀河は合体し、混ざり合って巨大な銀河となります。

50億年後は、赤色巨星を経て白色矮星へと進化する太陽とともに地球も終焉を迎えます。1000億年後、周囲の銀河が合体した超銀河が成長して、天の川銀河だった天体はその一部となっていると思われます。

その頃には宇宙の膨張によって遠ざかった他の銀河は観測不能となっているでしょう。銀河内部のガスが消費し尽くされると、新たな恒星は誕生しなくなり、100兆年後のにはすべての恒星が燃え尽き、後にはブラックホールだけが残るとされています。

天文学上の歴史②

西暦出来事発明・発見者(国)
1846年海王星の発見ルヴェリエ(フランス)
アダムス(イギリス)他
1856年恒星の光度(等級)の定義ポグソン(イギリス)
1888年KGCカタログの発刊ドライヤー(アイルランド)
1905年特殊相対性理論の提唱アインシュタイン
(ドイツ、スイス)
1914年恒星スペクトル型と絶対等級(HR図)の発表ラッセル(アメリカ)
1915~1916年一般相対性理論の提唱アインシュタイン(ドイツ)
1919年国際天文学連合(IAU)設立
1924年渦巻星雲の解明(セファイド変光星の発見)ハッブル(アメリカ)
1928~1930年88星座確定国際天文学連合(IAU)
1929年宇宙膨張に関するハッブルの法則の発見ハッブル(アメリカ)
1930年冥王星の発見トンボー(アメリカ)
1931年宇宙電波の発見ジャンスキー(アメリカ)