人事・採用術「応募者に向き合うことからすべてが始まる」

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リスクと向き合う戦術

リスクマネジメントの効いた採用選考は、言うまでもなく、応募者と向き合うことから始まります。しかしながら、日本の会社の多くが、その取り組みを苦手としているように感じます。

「応募者と正対して、その人の本質を知ろうとする取り組みを崩さない」会社は、大手中小を問わず、意外と少ないのではないでしょうか。

これから膨大な時間を共にすることになる人、運命共同体となるかもしれない人を選ぶという意味においては、採用は結婚と似ています。

結婚を前にした男女は、よほど恋愛ボケに陥っていない限り、相手の人格と向き合し、結婚後に障害を招くようなリスクかないかを知ろうとしますが、それに比べて採用選考はどうでしょうか。一方的な離婚が許されないのを知ってか知らずか、一目ぼれの恋愛ぼけを隠そうともせず、相手をろくに見もしないで突っ走る採用が当たり前になっているように思います。

わが国で応募者に向き合う採用選考がなかなか根付かない理由は「限られた時間内での応募者との向き合い方がわからない」「応募者のどこをどう見てよいかわからない」という、極めてシンプルなものです。

失敗が許されない中小企業の採用では、人と向き合う取り組みは絶対に避けて通れません。また、人と向き合う技術をすぐに習得できるわけではありません。しかし、世の中の多くの人が迷いに迷って右往左往している世界で、正しい方向性や進むべきゴールを知っているだけでも、それは大きなアドバンテージになるはずです。

リスクマネジメントこそが採用活動の本質です。性善説に甘え、楽観的な期待や見通しに従った笑顔の「大らか採用」は、後に関係者全員の顔を曇らせることになります。

浮かれず、緩まず、理にかなった厳しい視点を持ってストイックな採用を貫いた会社だけか後にみんなで笑えるのです。

リスク視点の強化は、後ろ向きの荒探しなどではなく、逸材獲得に向けた究極の攻めの戦術なのです。